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2023.01.27
物語の世界と現実をつなぐ至福のケーキ「むあ文庫」
比叡山東側の麓にあたる大津・坂本は、穴太衆(あのうしゅう)積みと呼ばれる石垣があちこちに残る門前町。趣ある大通りから少し外れた小道を進むと、雑木林に囲まれた一軒家が立っています。それが週末にだけオープンするカフェ「むあ文庫」。絵本とお茶が一緒に楽しめる場所として、2017年にオープンしました。
敷地内には三角屋根の小さな書庫があり、作り付けの本棚には約4000冊の本がずらり。この本は別棟のカフェを利用すれば自由に閲覧でき、気に入った本を持ってきてケーキや飲み物を味わうこともできます。実際、一人でじっくり読書にふける人のほか、子ども連れでの利用も多いそう。
「約30年前、私の両親が学生時代から集めてきた絵本や児童文学書といった蔵書を一般に公開したのがこの文庫の始まりです」と語る店主の岸本麦さん。その後長らく公開を中止していましたが、岸本さんがカフェスペースを増設の上、再開。「物語の世界と外の世界がつながるきっかけとなる甘いものやお茶」をコンセプトに、季節替わりで常時3種類ほどのお菓子や飲み物を提供しています。
季節替わりのお菓子の中には、店主が子どもの頃に家族で住んでいたオーストラリアで出合ったスイーツを思い出しつつ作るものも。毎年秋から冬にかけて登場し定番人気となっているのは「真夜中のブラウニー」(400円)。夜の暗闇のように真っ黒な生地には、ブラックココアや米粉、バターなどが使われています。しっとりとした生地の中には歯応えの良い梅酒漬けのドライイチヂクやクルミがちりばめられ、後味は重厚な見た目に反して軽やか。「夜をテーマにした絵本とともに夜をイメージしながら味わってもらえたら」と岸本さん。
そして冬季のケーキの中からもう一品。むあ文庫の庭で柚子の実が収穫できたときにだけ作られる「柚子とホワイトチョコのケーキ」(450円)。旬をむかえた柚子の果汁や皮がたっぷり練り込まれたふわりと軽い食感のケーキで、柚子のさわやかな香りとほど良い酸味が五感を刺激します。ドリンクメニューには、旬の果物を合わせた季節の紅茶やチャイ、コーヒーなどもスタンバイ。本を片手に季節の移り変わりを映すケーキに口にしながら物語の世界にひたる……そんな至福のひとときが過ごせそうです。
飲み物はニルギリやチャイなど約10種類。テーブルには庭で咲いた季節の花などが飾られます
書庫の棚に並ぶ絵本や児童書。カフェ内にも季節替わりの絵本の展示コーナーが
元々リビングだったスペースを改装したというカフェ。寒い時期には薪ストーブに火が入れられます
<営業データ>
住所/大津市坂本6-2-33
電話/080-3111-5982 ※営業中のみ
営業時間/13:00~18:00
定休日/月~金曜・祝日
駐車場/なし ※大宮川観光駐車場利用可
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