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2019.11.15
鶴里堂「栗小町」
秋の味覚が凝縮した絶品栗菓子
旧東海道沿いの京町に店を構える和菓子店・鶴里堂(かくりどう)。屋号は、その昔比叡山より望んだ大津の里が、翼を広げて飛び立とうとする鶴の姿に似ていたため「鶴の里」と呼ばれたことにちなんでいます。
東海道五十三次の物流の拠点として栄えた大津は「菓子どころ」としても有名。同店では、1895(明治28)年の創業以来、京菓子と並び称された「大津菓子」の伝統を継承し、比叡山の千年杉をモチーフにした「比叡杉羊羹」など、滋賀名物などを映したデザインが人気の和菓子を作り続けています。
例年、栗が採れる秋から冬にかけてのみ作られる「栗小町(くりこまち)」(324円)は、この季節の醍醐味。四代目店主の栢口(かやぐち)智司さんが考案した蒸し菓子で、渋皮ごと蜜で煮た栗を栗あんで包み、さらに重ねて小豆あんで包んだ一品。小豆あんは吉野葛などを混ぜて固めているので、羊羹のようにしっとりとした舌触り。中心の栗と小豆あんの間に栗あんが入り、架け橋になることですべての味がグッと引き立ちます。あんの上品な甘みと栗の風味、蒸す際に包む竹の皮の香りが口いっぱいに広がります。
直径4cm程度と食べやすいサイズなので、年配の方から小さなお子さんまで世代を問わず親しまれています。遠方からこの栗小町を求めてやってくるお客さんもいるそう。また、真空パックに梱包され10日ほど日持ちするため贈り物にも最適です。
栗が旬を迎えるこのシーズン、家族団欒のひと時や行楽のお供にぜひ味わってみて。
店内は、老舗の風格漂う落ち着いた雰囲気
江戸時代の民画「大津絵」が描かれた麩焼煎餅「大津絵おどり」(5枚袋入り972円)。白は和三盆のやさしい甘み、黒は砂糖醤油の香ばしい甘み
旧東海道に面した店舗正面。大きな木製の看板が目印
<営業データ>
住所/大津市京町1-2-18