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2019.06.21
茶丈藤村「本蕨」
厳選素材を丹念に練り上げた漆黒のわらび餅
奈良時代の創建と伝わる名刹・石山寺の門前近くに佇む茶丈藤村(さじょうとうそん)。寺院風の外観が目を引く店へ足を踏み入れると、「石山の秋月」「瀬田の夕照」など地元ゆかりの名が付けられた和菓子がずらり。店内に併設されている茶房の名物は、一年通じて味わえる「本蕨(ほんわらび)」(1,250円、抹茶付き)です。
わらびの根を原料とする稀少な国産の本わらび粉と井戸水、それに砂糖を加え、毎日少量ずつ鍋で練り上げるわらび餅は、24年前の創業以来、作り続けられている人気の一品です。本わらび粉だからこその黒いわらび餅は、ふるふるもっちりとしたやさしい甘さ。こうばしい深煎りのきな粉、さらりとした自家製黒蜜が口の中で溶け合い、至福のひとときに包まれます。
「わらび餅ならではの食感を保てるのは、作りたてから6時間程度です」と教えてくれたのは店長の徳永真理亜さん。そのため茶房でのオーダーが基本で、持ち帰りは前日までの予約のみ。受け取り時間に合わせて作る時間を調整するというこだわりぶりです。店内は、石山寺の境内にある元茶所・密蔵院をモチーフにしたという情緒ある日本建築というのも魅力。本わらび粉の風味が生きた冷たいお菓子を味わえば、これからの暑い時期でも、心も体もリフレッシュできそうです。
外観は寺院の庫裏をイメージしたという趣ある一軒家
2色のあんで「野に藤」を抽象的に表現した「ふじ野」(750円)
窓から瀬田川を望む茶房は、落ち着きある和の雰囲気が漂う
<営業データ>
住所/大津市石山寺1-3-22